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勉強し続けるためには ~制度・組織編~

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Photo by Campaign Creators on Unsplash

友人からの寄稿記事です.

背景

前回の記事では,日本人の自己研鑽不足をデータで示し,それに対して個人の意識でできる持続可能な勉強方法を提示した.

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今回の記事では,持続可能な勉強を支える制度・組織を提示する.

前提:制度・組織の重要性

筆者自身,自己研鑽で大切なことは個人の意識だと考えている. 一方で,会社や社会全体などの大多数に自己研鑽を浸透させるためには,制度・組織を変えて半ば強制的に自己研鑽させる施策が効果的だと考えている.

「この考え方が正しい」と実感した出来事が,新型コロナウィルスの感染拡大である. この出来事により,これまで浸透しきっていなかったリモートワークを,半ば強制的に行う必要がでた. 現在では,多くの企業がリモートワークを行い,多くの場合で問題なく業務を遂行している. 今後もこの流れは変わらず,リモートワークが当たり前になると考える. 新型コロナウイルスにより制度・組織を変えざるおえなくなり,その結果,大多数の意識も半ば強制的に変えさせられた一例といえる.

以降では,持続可能な勉強を支えるために制度・組織ができることを2つ示す.

1. ジョブ型雇用

自己研鑽を進めるためには,ジョブ型雇用を促進することが必要と考える. 現在の日本の雇用制度は,メンバーシップ型雇用と呼ばれている. いわゆる,終身雇用である. 今後,終身雇用がなくなることは確実だ. なぜなら,終身雇用の企業側のメリットが現代ではないからである. 更に,これを裏付けるように,トヨタ経団連も終身雇用の限界に触れている.

メンバーシップ型雇用の企業側のメリットと現状

  • 会社都合で転勤・異動を命じることが可能
    • 現状:リモートワークの普及により,場所にとらわれず業務が可能
  • 事業変化に対して人員の配置転換による事業継続が可能
    • 現状:アウトソーシングによる外部の専門家やコンサルタントで代用可能

以上より,既にメンバーシップ型は企業にとってメリットは少ないと考える.

ジョブ型雇用の企業側のメリット

一方で,ジョブ型の企業側のメリットは以下の通りである.

  • 事業変化に合わせた専門家の確保
  • 雇用契約を事業変化によって柔軟に変えることが可能
  • 各分野で一定以上のスキルを保持している人材のみ確保するため,社員教育の省力化が可能

企業にとって少ないリスクで事業継続や事業変更が可能になるため,今後は日本でもジョブ型雇用が進むのではないかと考える. 以上を踏まえて,筆者の考える今後の流れを示す.

日本で起こる変化

  • 雇用が維持された場合も,年齢の増加に応じて基本給与(最低賃金)が減り職能給与の割合が増えていく.(業績評価が高い人は職能給与の増加により給与は増える.一方で,業績評価の低い人は給与は横ばいまたは減る)
  • 退職者が増える.(より給与的条件が良い企業が増える)
  • 中途採用が増える.(事業に合わせてスペシャリストを囲い込む)

上記の変化が起きると,自己研鑽をする人がおのずと増えると考える. なぜなら,メンバーシップ型で保証されていた社内教育は減っていき,職能によって給与も変わるため,成果を上げるためにスキルアップが求められるからである.

以上より,ジョブ型雇用が促進されること,または自らその雇用形態に身を置くことで,個々人の自己研鑽が活発になると考える.

2. 副業

更に,自己研鑽を活発にするためには,副業の促進が効果的だと考える.

企業側のメリット

企業側は,社員に対して副業を促進することでメリットを得られると考える. 理由は,企業で続けてきた文化・制度・システムを見直すキッカケになるからである.

同じ企業で長期間勤めていると,社内の無駄に気づきにくくなる. 外部の人や新卒者に指摘されて,気づくケースも多い.

同業種・異業種の副業に関わらず,社員は副業を通して更なる収入の確保と,異なる企業文化の影響を受ける. 企業側は,社員が受けた異なる企業文化の良い点を企業内に取り込むことで,企業内の無駄の排除や新たな価値創造が可能になると考える.

社員側のメリット

社員側は更なる収入の確保に加えて,知識・スキルの拡充ができる. 副業によって収入を得るためには,既にある知識・スキルを活用すること,または新しい知識・スキルを習得して活用することのいずれかが必要である. つまり,副業を行うためには自己研鑽が必須となる. 勉強 -> 副業に必要な知識習得 -> 収入アップ -> 成功体験 -> 更なる勉強のループにより,持続的な自己研鑽が実現できる.

以上より,企業が副業を促進することで,社員は副業のために自己研鑽を行うような仕組みになる.

まとめ

本記事では,持続的な勉強方法を支える制度・組織の取り組みを2つ提案した. 結びに,アメリカの自動車会社 フォード・モーターを創設したヘンリーフォードの言葉を記す.

20歳だろうが80歳だろうが、学ぶことをやめた者は皆、老人だ

今後,日本が向かう超高齢者社会において,意識は老けずにいたいものだ.